vol.9 NPOエシカル部「水と生きる未来」研究会 第一回シンポジウム

2024年2月25日日曜日
13時半より15時半
弟子屈町公民館

「水のカムイ観光圏」には、弟子屈町、特別天然記念物の丹頂鶴が生息する釧路湿原、そして、北海道で最も歴史ある国立公園の一つ阿寒摩周国立公園があります。 町には、摩周湖、屈斜路湖があり四季の移ろいを感じる魅力もあります。私たちの身近にある水の宝である摩周湖、屈斜路湖、釧路川の美しさを伝え、守り、未来を生きる子どもたちに繋いでいく対話の会を開催しました。

  • 登壇 パネラー
    • 川湯からの眼
      中嶋康雄(株式会社川湯観光ホテル 代表取締役社⻑)
      武山秀樹(川湯オーチャードグラス代表)
    • 釧路川からの眼
      吉田聡(屈斜路ecoツアーズ代表)
    • 屈斜路湖からの眼
      島津正信(ワッカヌプリ代表)
    • 外からの眼
      竹鶴孝太郎(ニッカウヰスキー創業者孫)
      佐藤裕久(株式会社バルニバービ 代表取締役会⻑)
      トッサーニ糸田敦子(インテリアアーキテクト)
      川邊りえこ(NPO 弟子屈自然協会サロルンカムイ発起人、美術家)
    • ファシリテーター
      坂口真生(エシカルディレクター)
    • 司会
      竹森英彦(弟子屈町商工会会⻑)

第一回水と生きる未来
シンポジウム登壇者コメント

中嶋康雄(株式会社川湯観光ホテル 代表取締役社⻑)
普段お会いする方とも初めての方ともお話しをさせていただく機会となり大変有意義な時間でした。
弟子屈町のみならずひがし北海道各地にはまだまだ「価値化されていないモノ・コト」が多々あるものと
思います。新たな何かを造るのもそれはそれとして「あるものを磨く」ことが非常に大きな価値を
生みだすことと考えております。私も今回の出会いをきっかけに、また新たな視点を持ちつつ生きていきたいと思います。
お声をおかけくださいましたことに感謝申し上げます。

島津正信(ワッカヌプリ代表)
屈斜路湖の湖畔に住んでいるということでお声掛けいただき、弟子屈町内外の方々と交流させていただくことができ、大変貴重な経験になりました。
本当にありがとうございました。
道東の大自然の素晴らしさを改めて実感すると共に、様々なデータを教えていただき、問題点も認識いたしました。
景色を眺めているだけではわからないこと、改善しなければならないことが沢山あることを知りました。
ここ二十年で大きく発展している他の町の歴史についても、色々な視点からのお話を聞かせていただき、より適切な町の発展とは何なのか考えさせられました。
今後もこの会で多くのことを学ばせていただき、美しい大自然を守るために何ができるのか、何をすべきなのか考えていきたいと思います。

吉田聡(屈斜路ecoツアーズ代表)
今回のシンポジウム。
この町にとって歴史に残る大切な出来事になったと思います。
世界のあらゆる舞台で活躍されておられる方々がこの町に集い未来を考えて下さったことは、町民として、とても嬉しく誇りに思いました。
お話を聞くなかで弟子屈の自然は世界でも特別なものだと再確認できましたし、これから改善や考慮すべき点もわかってきたと思います。
ただ一点、地元の方の参加が少ないことが残念でした。まだまだ私たちの活動が町民の方に伝わっていないことを実感しました。
今後は町民の方にも魅力を感じていただく活動の必要性を感じています。
シンポジウムこれからも継続したいですね。
みなさん今後ともよろしくお願いします。
ありがとうございました。

佐藤裕久(株式会社バルニバービ 代表取締役会⻑)
僕は日本各地にて『食から始める地方創再生』にとりくんでいます。
そしてそれ(創再生)は人が住みたくなる街となり始めて成立するものだと考えています。
単なる観光で人を呼ぶという話ではありません。
今回のシンポジウムは弟子屈において創生し、再生せねば先に進めぬ経済的局面の中、従来からお住まいの地元の方々と新たな移住者そして今後の移住希望者がともに思い描く未来への姿の模索機会となったのではという気がします。
今後も継続し、未来の真の意味での住みたくなる街づくりを検討していく場であること願います。

坂口真生(エシカルディレクター)
今回のシンポジウムが弟子屈にとって歴史的なものになった、と参加者からコメントを頂き心から嬉しく思いました。地域出身の方、移住した方、そして新参者の三者三様のゲストと参加者が誠意を持って本質的な意見を交わし合った結果、皆の志が同じであると理解できたと確信しています。自然と人と動物が調和の取れた共生のかたちを保っている状態、それそのものが地域の価値となること。その理想を実現すべくサロルンカムイは真摯に活動していきたいと思います。

トッサーニ糸田敦子(インテリアアーキテクト)
川邊りえこ先生の御尽力により、地元の方々もメンバーや理事として関わる当NPOは、環境をメインに考える民間サロン型まちづくり協議会として、今までの地方では見られ無いような形態に私は興味を持ち、その向かう先を楽しみにしておりました。
当NPOの貢献が実を結び、我々が考える環境的に保護された理想的なエリアが実現した場合、このサロン型スタイルが、日本の地方に与える影響は大きいものと考えておりました。
第1回シンポジウムにて竹鶴理事長の御祖父母様が、地元の方々を御自宅に招き、交流を深めて、ウィスキーや外部からの人々を理解してもらう努力をされたというお話を頂き、既に成功例としてのサロン型スタイルが存在していた事に驚きました。竹鶴理事長の御祖父母様のその御精励により、余市町には世界的に有名なウィスキーが出来、ブランド化された余市果樹園が確立し、その歴史を受け継いだ自然派ワイン農家達が今、世界から注目を浴びております。
ニッカウィスキーの成功例を継承しつつ、この地元の方々との交流を深めながら、活動を進めるサロン型スタイルは、当NPOの一つの意義と思っております。

竹鶴孝太郎(ニッカウヰスキー創業者孫)
私は今回のシンポジウムは、地域の方々にどう接し我々の提唱する、鶴と共生する環境が地元の誇りとなり、未来の多大な財産となる事に改めて気づいていただく事と思います。この度、皆様の努力と活躍で、地元の方々、有力者に何らかの手ごたえを感じ、引き続き活動を広げ、理解と行動に繋がる努力が必要と思います。出来ればTAMATEBAKOが発信と交流の基地として、サロルンカムイ活動が提唱できたら素晴らしいと考えます

川邊りえこ(NPO弟子屈自然協会サロルンカムイ発起人、美術家)
2020年に弟子屈にご縁が出来、暮らす時間の中で見えてきたこと、起きた出来事。そして、世界から訪れてくださるゲストが感動してくださる弟子屈の大自然の尊さに魅了されています。
1人の力ではかなわないことが、昨年設立したNPO弟子屈自然共生協会サロルンカムイという舞台により、多彩な方々と集い、語らうことから、生まれていく自然の価値と人間との関係性があります。そして、この土地に少しでも貢献することを願っています。外からの眼だからわかる弟子屈の寶を守り、伝えていけたらということが我々のNPOの志です。10の活動のうちの、今回は「水と生きる未来」部会の第一回シンポジウム。弟子屈からの眼、外からの眼。公開対談でした。

武山秀樹(川湯オーチャードグラス代表)
今回シンポジウムにパネラーとして参加できたこと、心より感謝します。都会で暮らす人達が屈斜路カルデラの自然を守りたいと思う姿に感銘を受けました。
この次のシンポジウムは私が担当の「森プロジェクト 森をつなぐ」です。
地元の友人達を巻き込んで進めたいと思います。ご協力、よろしくお願いします。

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