vol.27 第一回道東名物づくり「山菜とチーズ」

道東に暮らすことの豊かさのひとつに、春の息吹を手で摘む「山菜」のある日々にあります。雪解けの水が大地を潤し、眠っていた命が芽吹くとき、皆、それぞれ、“秘密の場所”へと足を運びます。

山菜とは単なる“食材”ではなく、カムイからの贈りもの。山に入る前には祈りを捧げ、「分けていただく」気持ちで手を伸ばすのが、自然への礼儀だといいます。プクサ(行者にんにく)は、身体を目覚めさせる薬草として尊ばれ、こごみは、野の精霊のような存在。次の年、生命の循環を考えて、根からとらない、残しながらいただくという本来の精神が薄れている採り方をみると悲しくなります。夜衾草や反魂草、二輪草、蕨は、日々の糧でありながらも、魂を育む“時”の味でもありました。

NPOメンバー土屋さんがナビゲーターでコゴミの森にご案内いただきました。一面のコゴミは圧巻。足どりも軽やかに瞬く間に籠にいれていく姿は、さすが地元のドンです。

TAMATEBAKO AYNUへ戻り、カクテル。

採れたて茹でたての山菜は調味料いらずの豊かな風味。

最高の贅沢な時間でした。

そして、山菜、地元の生産者さんたちの品々をNPOメンバーの薬膳の村岡奈弥先生(以下サイトへリンク)によるメニューでのディナーへ。

加瀬漁業さん(リンク)の天然天日干し羅臼昆布
竹下牧場さん(リンク)のチーズ
知床ドン(リンク)の特製白子燻製
ポロニさんの卵
摩周大王

いつもながら身近にあるものを
組み合わせの妙で斬新な一品を発想する奈弥先生の食卓は道東名物を活かした春の養生となりました。

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