ナビゲーターはNPOメンバー昆布愛溢れる加瀬漁業の加瀬里紗さんです。
羅臼天然天日干し昆布の旨みには驚きました。その出会いから今回、貴重な昆布漁に伺わせていただくことにならました。
根室海峡の日の出を眺め、加瀬漁業の
二代にわたるお二人の舟が走りだし、瞬く間に山ほどの昆布があげられて戻ってきました。
知床連山から流れ込む豊富なミネラルとプランクトンが旨みたっぷりの羅臼昆布をうみます。
144件の昆布漁のうち伝統製法天日干しはほんのわずか。
黄金色に光る力強い天然昆布の作業開始です。昆布漁の後の手仕事による多くの工程で羅臼昆布が完成いたします。洗い、天日干し、昆布巻きを体験させていただきました。
昆布の森といわれる天然の昆布は自然の恩恵をうけて育ち、それを守り育て繋いできた暮らしがあります。
昆布漁から休むことなく、家族総出で協力して、商品となるまでの大切に丁寧に扱われていく過程を拝見する貴重な機会でした。
調べてみると、縄文時代の末期、中国の江南地方から船上生活をしながら日本にやって来た人々が、昆布を食用とし、大陸との交易や支配者への献上品としていたという歴史がありました。
昆布という名の由来は、アイヌ人がコンプと呼び、中国に入って、外来語として日本に逆輸入されたそうです。鎌倉中期以降、昆布の交易船が北海道の松前と本州の間を、盛んに行き交うようになり、昆布が庶民の口に入るようになります。
海上交通がさかんになった江戸時代には、北前船を使い、下関から瀬戸内海を通る西廻り航路で、直接、商業の中心地である「天下の台所」大阪まで運ばれるようになります。新しい土地に昆布がもたらされると、そこに独自の昆布食文化が生まれます。
関東地方はこんぶロードの到達がおそかったため、全国的に見て昆布の消費量が少ない地域となっています。水の質の影響もあるようです。
昆布の生産のほとんどは北海道。
道東、羅臼の昆布。日本の食文化の学びです。